2001年5月8〜10日の寄磯
(初めての飛行機遠征)


ついに、東北遠征をしてきました。住宅ローンを抱えた、普通のサラリーマンが神戸から東北に行くまでの長ーい道のり。興味があれば読んで下さい。

話は、1年ちょっと前に遡ります。
明石で開催した花見カレイOLMでのこと。ひかるさんが所属される東京のクラブの例会の関西支部大会を兼ねると言う事で実施。このとき初めてひかるさんにお会いし、関東・東北の釣りの話を実際に聞き、又、小名浜での釣果の連絡もリアルタイムで入って来るのを聞き、派手な仕掛けにカルチャーショックを受けつつも、いつかは自分も東北でカレイを狙ってみたいと固く心に誓いました。但しそれは、地元での目標を達成した後のことにしようと。地元での目標はマコガレイの40オーバーを釣る事。

さて、その後東北ではマコガレイの日本記録が更新されました。ますます東北へ行って見たいと言う気持ちが高まってきます。
しかし、費用と時間はどうするのか・・・
丁度その頃、全日本サーフ・神戸投翔会に入会しました。
クラブの先輩たちの話を聞き、相当にショックでした。クラブで最もカレイ釣りが好きなガッチョ師匠。「明石、淡路で30オーバーのマコは、100匹以上
釣っているが、40オーバーは釣っていない。」
この言葉を聞いた時から、二つの目標は切り分けて考える以外に無い事を知りました。自分はその時、30オーバーを明石で2匹釣ったに過ぎなかったのです。今や明石で40オーバーを釣ると言うのは、東北で60オーバーのマコを釣るのに匹敵する難易度に近いものがあるのです。

去年の7月。会社の上司から呼ばれ、「試験を受けてみないか」と言われました。試験とはつまり幹部職への昇格社内試験のことです。
これは、自分の人生にとっても、釣りについても絶好のチャンス。試験に合格すれば非組合員となり、それまで労働組合で積み立ててきた闘争資金と言うのが帰ってきます。中途採用で現在の会社に入った私は、満額とは行かないものの、東北遠征の資金には十分な金額。
そして、勤続休暇制度と言うのがあり、その年が終われば丁度転職して10年で、5日間の連続休暇が取得できます。それが取得できるのが、2001年の4月以降。試験に合格すれば、休みとお金が同時に手に入り、お祝いと言うことで家族の説得も出来るに違いない。
行くとすればこのチャンスを生かすしかありません。しかも、会社で始まったプロジェクトは6、7、8月とピーク。休みを取るなら5月しか無い!

社内の昇格試験にも色々あると思いますが、うちの会社のは病的にくどい試験です。合格率は前年実績で3/20。達成不可能に近い数字・・・
団塊の世代の名残で幹部は余っていて、年々上がる難易度。
第一段階:まず直属上司の推薦状が必要。これは声を掛けられた事でクリア。
第二段階:A4で5ページの業務成果の論文を書いて、部長以上2名の前で発表。幾度かの上司の指導を受けて、8月にこれをクリア。
第三段階:通信教育を受けていいよと言う許可が出て、ようやく勉強開始。経理、マーケティング、人材育成など幹部職として必要な基礎知識の通信教育を受けます。

11月に育波OLMが開催。ここで、マコガレイ日本記録保持者の一本釣り師さんと初めてお会いし、日本記録魚の魚拓を見せていただきました。
もう頭の中は東北でいっぱいに。

第四段階:そして、年末に学科のペーパーテスト。65点以上で合格。教科書は分厚い4冊分。理系の私にとっては殆ど拷問に近い内容・・・10、11月の平日夜は受験生並に勉強。12月に筆記試験を受け、合格。この時点で人数が約半分。

2月。フィッシングショーの抽選で、大きなクーラーをゲット。これに初めて入る魚は、東北のカレイに違いないと一人で決め込む。(^^)

第五段階:2月末、伊豆での集合研修会。最初の日にお題が与えられ、7時間で論文3ページを作成。そして発表用資料類も準備。翌日、夏に書いた論文の口頭試問。そしてその後で、初日に作成した論文を発表して、グループ討論。発表した内容はもちろん、他の人の発表に対する質問内容も細かくチェックされます。もう、精神的疲労たるや、言葉では言い表せないものが・・・

3月。片道¥5000のJALの前売りスペシャルは、電話も繋がらず惨敗。これが取れていたら、費用的には特別予算でなくとも何とかなりそうだったのですが・・・

そして、4月末。部長から呼ばれ、「合格です。おめでとう」と。
「東北に行ってもいいよ」と聞こえました。(゚O゚)☆\(^^;) バキ!

■やっと、ここから釣行記です■
東北釣行の準備に入ります。行く場所は、日本記録の寄磯一本に絞ります。
地図、60cmの玉網、キャリーなどを購入。
そして、GWが終わった5月8日。朝4時に自宅を出発。夜中から降り続く雨。
先ずエサを買いに尼崎のサワムラへ。ところがサワムラが開いてません。先日サワムラに行った時に開店時間は確認してあったのに・・・
電話してみると・・テープの声が「本日は定休日です・・・・」
須磨まで戻るしかないのかと、Uターンしてしばらく走ると、交差点の角に釣具屋の明かりが。フィッシングMAXでした。地獄に仏と、早速エサを購入。過去ない量の大量のエサ。でもさらに現地でこれにエラコを追加する予定。

悪天候の中、飛行機は揺れながら飛び立ちました。周りはビジネスマンが多く、ブーツを履いてG社の帽子をかぶった私はとっても変な人に見えたかも。(^^;
仙台空港からは、レンタカーで寄磯を目指します。高速道路を使って、約一時間で、イシガレイの日本記録が出た渡波。しかし、ここは迷わず通り過ぎて、牡鹿半島へと向かいます。

牧山トンネルを抜けると、「牡鹿」の表示が・・・・・・
高まって来る気分。

途中のJ州屋で、宮城県の空撮釣り場ガイド本と、スカリを購入。宮城県はまだ雨になっておらず、午後の時合いは何とか釣れるかも。
牡鹿半島に入ってから、寄磯まではタイトコーナーの連続。足元プアーなレンタカーでは、楽しくないドライブでした。空港から約2時間で寄磯に到着。

初日は半日なのと、いつ雨が降って来るか分からないので、沖堤には渡らず、波止の角から竿出し。予報では雨は明日の朝には上がりそう。2本の竿を出した所で、ポツポツと大粒の雨。結局、竿2本で車の中から竿先監視。エサ取りも少なくそのまま帰って来るのでつい車の中でウトウト。

この日初めて使う「当たった」クーラー。ついてるクーラーはつくでー。(^^)
寄磯港沖堤防を望む。横で工事が行われていて、来年以降は歩いて渡れるようになるらしいです。

結局初日は、小さいウニとヒトデが釣れただけでした。使ったエサは青イソメで¥500分くらい。
なあに、明日があるさ。(^^;

民宿で、夕食。新鮮な魚介類。(^^)
「ホヤ」というものも初めて食しました。なかなか美味。寄磯の特産品との事。

一番左は、鮎の子のから揚げ。その次があわび。で向こうのオレンジのが「ホヤ」を焼いたの。あと、ミンククジラ、めかぶ、ホタテ、ソイの煮付けなど。
次の日は、ウニ、アワビ、タイの刺身、カレイの干物などでした。

翌日、6時に沖堤に渡してもらう事を、漁師さんと約束してて、9時には就寝。

朝起きると、雨は上がるどころか強まっています。風の音も時々ゴーッ。(T_T)
仙台気象台の予報では、昼過ぎには上がるとの予報。
潮変わりと夕まずめの2回のチャンスがある午後に賭けることにして、待機。その間、鮎川、女川など周りの漁港を見て回ります。いかにも釣れそうな港がいっぱいありました。
12時前、雨は一向に弱まっていません。牡鹿半島は東に突き出しているので天候回復はさらに遅れるのか?と判断して、意を決してカッパを着て雨の中、沖堤に渡してもらいました。
沖堤で最初に腰を抜かしそうになったのは、あちこちにあるヒトデの死骸の大きさ。地元で釣れるキヒトデと同じみたいですが、とにかく大きい! 対角での長さ30cmあまり。

竿は固着歴のあるサーフリーダーを除いて4本体制で開始。
横殴りの雨と風、かじかんで来る指先。体感温度3月初旬。吐く息が白い。

雨の中、4本に制限して、魚信を待つ。と言っても、顔を上げると雨が体に染込んでくるので、これ以上上が向けない。
60cmのタモ、何でも入りそう。(^^;;

雨の中では、エサを濡らさない事が重要。キス専門さんに習った雨対策と風対策をして、エサ付け。キスの引き釣り大師匠のテクニックは大物狙いでも役立ちます。

一本の竿を聞き合わせると重い!。
足元に注意しながら堤防の上に上がり、巻き上げると4本腕?のヒトデ。
対角30cm。(@_@) 地元でも時々一本だけ短いのがあったりしますが、これは完全にバランスの取れた4本腕。突然変異のようです。
思わず、山の裏にある女川原発の影響?と思ってしまいました。(^^;;

対角で30cmのヒトデ。左のは、4本腕の突然変異と思われる。

益々強まる雨と風。「負けるもんか!」とがんばります。動きを止めると寒いので、動き回ってひたすら手返しと誘い。

干潮から潮が満ち始めた午後2時頃、聞き合わせると竿が再び重い。巻き上げ開始。さっきのヒトデと同じ重さ。しめ込みもなく寄ってきます。
防波堤の沖向きは一段高く、上に上らないと海面は見えません。しかし、雨で足元は滑り易く、上に上がっている時に風が突然吹くと転落の危険もあります。どうせヒトデだろうと、寄ってきたヒトデを見えないまま抜き上げました。しかし、堤防についた貝に仕掛けが引っ掛かったらしく、上がってきません。一回竿先を下げて、強引にしゃくると、ベタンと音がして、何かが防波堤に叩き付けられた感じ。で、巻き上げて防波堤のコンクリートの壁の上に突然現れたのは、無眼側に血を滴らせた、カレイでした。(@_@)
一本釣り師さんからは、完全な一発場と聞いていたので、40cmは越えていると信じて、寒さと興奮で震える手でメジャーを当てる。37cm。はぇ??
自己記録を1cm「下回る」マコガレイでした。妙に薄い。

マコガレイ37.5cm(拓寸) 妙に薄くて、元気不足。

遠征に来る前、40未満はリリースなんて、クラブの先輩達にさんざん言われて出てきたものの、この状況では一匹でも釣れたらラッキーともちろんキープ。
仕掛けは、東北風味、関東風味、関西風味の3種類を使いましたが、釣れたのは、いつも使っている何のアクセサリーもついてない、ただ鈎だけをいつもより大きめの16号カレイ鈎としたもの。
エサは青イソメの房掛けでした。(でも投げた時外れたのか、鈎には青イソメは2匹しかついてなかった)

一匹釣れたので、気合を入れ直して続けます。
雨は徐々にカッパの隙間から体に染込んで来て、益々つらい状況。思わず口をついて出る「巨人の星」のテーマ。完全に修行・荒行の世界。(^^;

午後5時、夕まずめの時合いを期待しましたが、釣れたのは、22cmくらいのアイナメ。50のアイナメは何処へ行ったんやー。(;_;)
午後6時、ようやく小降りになってきた波止を後にしました。

3日目。やっと雨も上がり、全力勝負が出来る状況になりました。周囲の山は、深い霧につつまれていて、まさに聖地の雰囲気。
大きなカレイが海の下にいるのが見えそうな気になってきます。岩肌に生えた松の木が美しく、近くの松島を連想させます。

岩肌に松の木。緑色の海。上の方は霧に包まれています。
日本海(宮津湾)みたいですが、ウミケムシはいません。(^^;

全ての竿に、エサをたっぷり付けて、根掛かりゾーンも恐れずに果敢にアタック開始。
ジェット天秤、短い仕掛けなど、思い出す全ての知識をフル回転。潮は殆ど動かないところなので、ジェット天秤は大活躍。
しかし、錘の消費は進むものの、魚の姿はありません。ふと右を見ると、後から入った投げ釣り師がセットアップ中。竿の本数は多いものの、クーラーが小さいので、地元のキャスターか?
セットアップが終わった頃、お話しに行った所、仙台の人で、連休中の仕事の代休を今取って、ここに来たとの事。気合の入った道具が揃っていましたが、全サには入っていないとの事。(ホームページも見て頂いたことがあるそうで、当日夜にメールをいただきました。あの日は結局ダメだったそうです)
お話によれば、このあたりのカレイは、「ホヤ」を食っているとの事でした。ホヤは何度も鈎掛かりして上がってきたので、あれを切ってエサにすればあるいは???
結局、最終日は雨後の水温低下の為か、魚の反応はなく、ヒトデの山を築くのみに終わりました。
尚、さきほどの人に聞いたら、ここは10本腕のヒトデも釣れる事があるとの事。やっぱり、微弱放射能の影響??
それでカレイも巨大とか。(^^;;

天候の回復した牡鹿半島のコバルトラインをドライブして、全力は出し切った充実感に浸りつつ、寄磯を後にしました。次は、5年後。会社のリフレッシュ支援の制度があって、お金も少しもらえるみたい。これを利用して、又来ようと決意したのです。(^^)

コバルトラインから望む女川湾。
同上

以上で、長〜い東北の道のり、みちのく一人旅釣行記終わりです。
長い文、失礼しました。
一本釣り師さん、色々ご教示ありがとうござました。