1.国産機械式普及機コレクション


国産機械式時計は、1950年代後半から、クオーツが買いやすい価格になった1970年代後半くらいまでの約20年間に飛躍的進歩を遂げ、当初はスイス製の模倣であったものが、世界に誇れる精密機械に発展しました。
現在、機械式時計ブームの再来でセイコー、オリエントは一旦製造を中止した機械式時計を復活しています。
現在のグランドセイコーなどは、その後に発達したNC旋盤の力を借りて高精度加工技術などにより比較的高精度を簡単に出せるようになっているようですが、原設計は1970年代の時計を規範として成り立っています。
実際内部の構造は、1970年代の時計のデッドコピーと言って良いもの(4S系)もあります。リバイバル版よりは、当時物の方がいいかな?という事で、古めの時計コレクションが増殖中です。
普及機クラスをほぼ製造年順に並べてみました。

Orient
Star Dynamic
11石手巻き
18000振動
1956年
この頃の時計は、今の時計よりもかなり小ぶりです。
クラシックな風合いにたまらず入札。
今このスターダイナミックの復刻版が出ていますが、それは単調な文字盤で、こういう手間の掛かったのはオリジナルだけ。
文字盤自体がラウンドしており、針もそれに合わせてカーブしています。
SEIKO
UNIQUE(かスーパー。文字が消えていて判別不能)
Cal.U?
15石手巻き
18000振動
嫁の父の形見
製造年が明確にわかりませんが、耐振装置が無いところから、1950年代中期の製造と思われます。整備してもらったら、ちゃんと動くようになりました。
CITIZEN
DELUXE
1958年製造開始
21石手巻き
18000振動
単一機種として当時の販売実績No.1。
このモデルは、トンボ出版の「シチズン デラックス」の解説ページの最初に出てくるモデルそのもので、19石〜23石があったとのこと。
CITIZEN DELUXE」の文字、下の「PARASHOCK」の文字は、貝張りの上に書かれており、大変美しい仕上がり。文字盤自体はシミが出ているため、近日リダン予定。
文字盤リダンは、写真製版で行われるため、オリジナルの字体が完全には再現出来ないそうですが、この文字盤なら貝を剥がせたら、文字は無いのでうまく行きそうな感じです。

⇒業者さんに相談したところ、出来ないとのこと(T_T)
ORIENT
Royal Orient
1958年製造開始
21石手巻き
18000振動
クラウン、クロノスなどと同世代のオリエントを代表する名機。
ジャンク2個と、ケース・文字盤のデッドストックを合体して、再生してもらいました。輝く新品ケースが眩しい!この頃の他メーカ品に比較すると、手巻きの減速比が小さいようで、かなり力が要ります。
リュウズもオリジナルのデッドが見つかりました。
SEIKO
CROWN
Cal.560
諏訪精工舎
19石手巻き
1959年製造開始
18000振動
諏訪精工舎の代表モデル。諏訪製初代グランドセイコーの元になった、耐震装置がついた最初の時計。
東京ビッグサイトで開催された骨董ジャンボリーで入手。
まだ裏の保護シールが一部残るデッドストックに近い状態のもの。
さすがに専門業者さんは、良いのを隠し持って?います。(^_^;)
ブースに並んでいなかったのですが、「CROWNは無いの?」と言ったら、奥から出てきました。
半分趣味で集めたそうで、もう年だから放出に入っているとのこと。しかも程度からすると格安!(相場の半額以下)
SEIKO
GYRO MARVEL
Cal.290
諏訪精工舎
17石自動巻き
1959年製造開始
18000振動
セイコーの自動巻きでは二代目に当たります。
17石なので初期型と思われます。
「MARVEL」が示す通り、マーベルに自動巻き機構を載せた構造のため、機械が分厚く、横から見るとコロコロしています。残念なことに文字板にキズが多いです。
ここにキズが多いのは、分解掃除した職人の腕が悪かったと言うことでしょう。
SEIKO
LINER
Cal.3140
諏訪精工舎
21石手巻き
1960年製造開始
18000振動
シチズンデラックスに対抗して作られた薄型。クラウンよりも一回り小さい機械を採用。
変わり文字盤が眩しい。派手すぎて、着ける機会がありません(^_^;)

←後で気づきましたが、SD文字板。
つまりバーインデックスが、14金又は18金の無垢で、最高級ランクです。
CITIZEN
ACE
21石手巻き
1960年製造開始
18000振動
シチズンデラックスの廉価版として発売。あまり売れなかったとのこと。
文字板の焼け方が良く、アンティークの雰囲気が良く出ていたので、入手。
落札価格\1,910。
CITIZEN
ACE
21石手巻き
1960年製造開始
18000振動
上とおなじエースですが美しい文字板に思わず入札。
しかし、短針の下に小さなシミが・・・・
裏蓋の状態はデッドストック級なのと、大き目15型ケースなので良しとしましょう。
SEIKO
GOLD FEATHER
Cal.60M
1960年製造開始
第二精工舎
25石手巻き
18000振動
シチズンデラックス、諏訪精工舎ライナーに対抗して作られた第二精工舎の薄型。
同型2個と文字盤のデッドストックを合体して完成。
SEIKO
CRONOS SELF DATER
Cal.CS
第二精工舎亀戸工場
21石手巻き
1961年製造開始
18000振動
諏訪精工舎のマーベルに負けじと第二精工舎で開発された当時の高級機。このあとに作られた亀戸製キングセイコー、グランドセイコー44GSはこれがベース。
当時は同じSEIKOブランドでグループ内で良い時計の開発を競っていたようです。
ライバル会社シチズンの立場はどうだったのでしょう?(^_^;)
文字盤、針とも腐食も無くグッドコンディション。元町高架下のアンティークウオッチショップで値切り倒して入手。

44キングのムーブはこれをベースに作られたことが比較して見ると良くわかります。(テンプ受けがダブルブリッジなど)
CITIZEN
HOMER DATE
21石手巻き
1962年製造開始
18000振動

シチズンを代表する手巻き腕時計の傑作。
1975年頃まで製造されたらしく、比較的簡単に入手できます。これは、文字板が少し変わっており、ベゼルがYG、ケースはRGのメッキとなっていて、かなり豪華に見えます。
実際は、普及機のベストセラーです。
CITIZEN
HOMER DATE PARA WATER
1962年製造開始
1963年12月製
17石手巻き
高精度普及機として長く製造されたホーマーのデイト付き防水ケース仕様。
製造期間が長いため、正確な製造年は不明ですが、モデルとしての製造開始は1962年です。
上のに比べると、やや後年と推定。
防水を強調しすぎ、水の入った時計の修理が増えたのだとか。
CITIZEN
JET AUTODATER
1962年製造開始
1964年4月製
21石自動巻き
世界的に稀少なジェットローター搭載。
大振りで、今していても違和感無く、是非とも裏スケで復活してほしい時計です。腕に付けているとジャージャーと音がします。
SEIKO
SPORTS MATIC CALENDAR
Cal.790
1962年
諏訪精工舎
19石自動巻き
18000振動

SEIKO5の源流
SEIKO
SPORTS MATIC CARENDER 820
Cal.7625A
1963年製造開始
第二精工舎
17石自動巻き
18000振動
チャンピオンをベースに作られた若者向けの時計だったそうです。
このあと、これをベースに76系「5」が作られました。
CITIZEN
JET AUTODATER7
1964年製造開始
25石自動巻き
世界的に稀少なジェットローター搭載。
ジェットの中でも特に大振りで、新発売の時計かと思ってしまいます。外形40mmのビッグサイズ。
SEIKO
SEOKO MATIC-R (8305-0020)
Cal.8305
諏訪精工舎
1965年3月製
30石自動巻き
18000振動
手で巻かなくても良いことを強調するため、リュウズの位置が4時になっています。
SEIKO
SEIKOMATIC
Cal.6206A
諏訪精工舎
1965年10月製
26石自動巻き
18000振動
ビジネスマン用に作られた時計らしく、味も素っ気も無い?デザイン。
昭和の腕抜きをして仕事をしていたビジネスマンの光景が浮かんできそうな時計です。
SEIKO
Sports Matic 5(6619-8180)
Cal.6619A
諏訪精工舎
1966年9月製
「防水、耐震、日付、曜日、自動巻き」の5つの特長を持つことから、「5」と名づけられたセイコー5の最初の時計群の内の1つ。
66ファイブと呼ばれる中では後期型で、プッシュボタンで日付を変えるタイプ。
この後、セイコー5は大ベストセラーとなり、今でも海外で根強い人気を誇り、日本にも海外生産されたものが輸入されていると言う奇跡のような大ヒットブランド。
時計の「カローラ」か?

SEIKO
SEIKO Matic-P(5106-8010)
Cal.5106A
第二精工舎
1967年3月製
33石自動巻き
19800振動
リューズの真ん中に6角形の押しボタンが仕込まれていて、それを押すと日付が変わると言うギミック付き。また、ロレックスで有名な0時になると日付と曜日が瞬時に変わるデイトジャスト機能内蔵。後のハイビート52系機械のベースとなった時計。機能的には自動巻きの完成形と言えるかも知れません。オリジナルブレス付き。
SEIKO
SEIKO Matic-P(5106-8010)
Cal.5106A
第二精工舎
1967年4月製
33石自動巻き
19800振動
上と一ヶ月しか製造月が違わないのに、文字盤デザインが変更になっています。第二精工舎マークがなくなり、「DIASHOCK」の文字。
SEIKO
SEIKO 5 DX (5139-7040)
Cal.5139A
1967年11月製
27石自動巻き
18000振動
秒針ハック付き

1967年に登場したこの51系5は、第二精工舎の「5」。
秒針ハックもあり、デザイン的にも66系を踏襲しながらも洗練された感じがします。
この51系が、後の52系KS、現在の4S系へと受け継がれていきます。
SEIKO
SKYLINER
Cal.6222C
諏訪精工舎
21石手巻き
1967年製
毎月最初の日曜日に京都の東寺で開催されるガラクタ市で格安ゲット。ガラクタ箱の中でキズだらけで眠っていました。文字盤、針に殆ど劣化が無く、ネジを巻いたら動き出したので、すかさずゲット。風防のキズを落とし、ケースに磨きを入れてご覧の通りの状態に。
薄く、当時としては少しだけ大きめのフェイスがとても良いです。
手巻き式として最後まで作られた時計。
行き付け時計屋さんの調整で、クロノメータ級の精度が出ています。
SEIKO
SEIKO 5 DX (6106-7000)
Cal.6106A
諏訪精工舎
1968年7月製
25石自動巻き
18000振動
秒針ハック付き

61系グランドセイコーの祖となった61系「5」。
従って、低価格普及機ながら名機と言われています。
CITIZEN
SEVEN STAR DELUXE
21石
1969年12月製
21600振動
自動巻き(手巻き付き)
1969年にこのデザインの時計を世に送り出すとは!!(@_@)
当時デザインのシチズンと言われたシチズンの面目躍如たる時計の1つかと思います。
本体は比較的安く入手したものの、リュウズ交換と、このダイアルに合うスイス製のベルトの合計が本体価格の三倍に(^_^;)
CITIZEN
SQUARE CUSTOM
25石
21600振動
自動巻き(手巻き付き)
スペック的に、1969年頃と推定。
デッドストックで入手。
「トンボ本」に載っていないので詳細わかりません。
セイコーのロードマチックに対抗して作られたものと推定します。似たデザイン、スペックのものがロードマチックにもありがちですが、日付・曜日の位置に特徴あり。
SEIKO
PRESSMATIC(5146-7040)
Cal.5146A
第二精工舎
1970年7月製
27石自動巻き
28800振動
MATIC-Pの進化型
高級機に位置づけられる若者向け製品。
当時の対抗は、下のシチズンレオパールと思われる。
日付曜日のクイックチェンジとリュウズ真ん中のボタンによる日付早送り機構搭載。
オリジナルブレス付きでしたが、父から息子(中学生?)に受け継がれた時計だったのか、ブレスがかなり短く、継ぎ足しカンを入れて伸ばしました。昔は私もベルトはかなり短めにしていたので、当時の傾向かも知れませんが、これに限らずアンティークは短めのベルトが多くて苦労します。
WITTNAUER(ORIENT)
万年カレンダー
オリエント時計
1970年頃と推定
21石自動巻き(推定)
21600振動(推定)
ORIENTの世界的なヒット商品である、万年カレンダーのドイツ向けOEMモデルと思われる。

この時計は、ドイツに出張に行った時に、ドイツに住む時計好きのスペイン人の友人にLOAD MARVELをプレゼントした代わりに、彼からもらったものである。
最初に発売されたのは1970年頃と推定されるが、今も復刻版が作られており、裏面の刻印(WITTNAUTER"2000")からすると、2000年頃の製品かもしれない。但し、針の夜光塗料の劣化程度からすると、1970年代のものにも見える。
詳細は、オーバーホールに出した時に、時計屋さんで確認する予定。
 
SEIKO
WORLD TIME 6106-8240
Cal.6106C
諏訪精工舎
17石
21600振動
1971年製
1964年の東京オリンピックの時に発売されたワールドタイムの恐らく三世代目。
4時位置リュウズを回すと、内部の都市名表示が回転して、現地時間を知ることが出来ます。
電波時計のワールドタイムを持っていますが、ステップモータで駆動するより、この時計の回転板を手で回す方が明らかに速い!(^_^;)
当時としては、かなり大振りで、今付けていても不思議では無いデザイン。
初めて付けた日にベルトが根元から外れ、コンクリート上に激突。しかし、外装にキズは入りましたが、内部はセーフ。付いてて良かった耐震装置。(^_^;)
後で見たら、古いバネ棒がラグの穴の中に折れ込んでいて、その上から新しいバネ棒を入れたために掛かりが浅かったことが判明。ピンバイスで穴を空け直して修正。
SEIKO
ロードマチックスペシャル 5206-5030
Cal.5206A
28800振動
第二精工舎
自動巻き
1971年10月製
52系最初の5206だけは、日付曜日の瞬間早送り機構付き。下の5216になると瞬間早送りがついていません。
理由はコストかはたまた、耐久性の向上か?
ガラスを交換したいところですが、角のガラスは本当に残っていません。ベルトも稀少なオリジナル。
SEIKO
クロノグラフ6138-3000
Cal.6138
21600振動
諏訪精工舎
21石
自動巻き
1972年7月製
世界初の垂直クラッチ機構を開発した、セイコークロノグラフ。6139の後に開発された二つ目クロノ。
この時計は輸出モデルのため、比較的安く入手できましたが、紺白のハンダダイヤルのものは、超高額取引になっています。
大きく、重く、今風?


←SEIKOのインデックスの下に5Sportsの文字がなく、曜日表示が英語と数字表示になっています。
余談ですが、リダンされた文字板の中には、CHRONOGRAPHがCHRONOMETERになっているものがあったりして笑います。

CITIZEN
LEOPARD(当時、レオパールと読む)
28800振動
26石
cal.7700
1972年10月製
ガラスがかなり深いキズだらけ、おまけに溶接作業をする人が付けていたのか、ガラスに穴が五ヶ所くらい。ベルトは半分だけしかない状態のジャンク同然のものでした。神戸元町の高架下でジャンク価格で入手。
ケースのキズ取り・研磨を自分で行い、オーバーホールとガラス交換をしてもらいました。オーバーホールの際、針の腐食も落としてもらいました。
これがあのジャンクだったとは誰も想像出来ないでしょう。(^^)
CITIZEN
LEOPARD
28800振動
28石
cal.7720
1974年10月製(デッドストック品?)
70年代に流行った多面カットガラスの時計の中でも究極の9面カット。しかもこれは文字盤が石でできているようです。グラデーションの文字盤と立体的なインデックスも当時の流行。
しかし、会社に付けて行くのは止めました。実物は写真よりメチャ派手で、イミテーションの宝石みたいです。(^_^;)
SEIKO
ロードマチックスペシャル 5216-8010
Cal.5216A
28800振動
第二精工舎
自動巻き
1975年4月製
デッドストックを入手。この時計の52系ムーブは、今のセイコークレドールの機械の先祖で、今のものは、当時ものの復刻的なものにすぎません。
70年代は機械式時計が一回目の終焉を迎えた時代で、このあとクオーツの時代になりました。
また、70年代はこのような立体的な文字盤が世界的に流行し、多面カットガラスなども流行りました。私が初めて買ってもらった時計は、これに良く似たデザインのセイコーエルニクス。
電磁テンプ式と言って、電池でありながら機械式のテンプにより歩度を決めるハイブリッドな時計でした。
SEIKO
ACUTUS SILVR WAVE (6306-8010)
Cal.6306A
1976年12月製
21600振動
21石
諏訪精工舎
70年代最後期か若しくは、その用途から敢えて自動巻きとしたものか兎に角近年のデザインです。ねじ込み式のリュウズもシャキッと仕上がっています。
某時計屋さんが売っていた割には、稚拙なケースの磨きであったので自分でやり直しました。
SEIKO
SEIKO5
Cal.7S26
21600振動
21石

これを日本製と言うかは??
中国で組み立てられた逆輸入品。
最近量販店で良く売っている逆輸入セイコー5です。
昔のセイコー5は、66**とか、別の機械が入った別物です。
ORIENT
M-FORCE TITANIUM
21石
国内向けに発売されたようですが、組み立ては海外(中国?)
時計を集めている内に夏になり、皮のベルトは不向きに。かと言ってステンレスベルトではアレルギーになるので、チタンの格安時計を普段使い用にと探していて発見。
フェイスが今時にしては小さめで、人気が無かったのか、希望小売価格の半額以下で出てました。日付表示が液晶のように見えることを狙って作られています。
儀像堂
5802
21600振動
21石
Cal.59841(ORIENT)
2006年7月製(組立て者:Tsuchy)
下諏訪にある、「時の科学館儀像堂」で6時間組立てコースで組立てたものです。
タイムグラファーで平置き+25秒と高精度とは言えませんが、自分で組み立てたと言うのが格別。(^^)
詳しくは、「時計組み立て」のページを参照。
残念ながら秒針ハック機能なし。
儀象堂
0010
21600振動
Cal.46043(ORIENT)
2007年10月製(組立て者:Tsuchy)
上のは、小さ目の時計でしたが、これは今時の流行を押えたフェイス径38mm。
惜しいのは、この時計も秒針ハック無し。