時計の組み立て


第一回(2006年7月)

色々と時計関係のホームページを見ていたら、時計の組み立てを体験させてくれるところがあることを知り、勤続休暇と会社のリフレッシュ支援制度(要するにリフレッシュ資金の援助)を使って、行くことにしました。
かなり前から予約を入れましたが、実際日程が近づくと勤続休暇(5連休)は取れそうもなく、普通の休暇を二日取って一日走行450kmの強行軍。気分はリフレッシュできますが、体は・・・・(^_^;)

長野県の諏訪地方は、昔諏訪精工舎(現セイコーエプソン)が機械式時計の黄金期にセイコーの時計を作っていた場所で、他にも精密機械関係の会社がたくさんあります。
そこに、儀象堂と言う時計のテーマ館があり、クオーツと機械式時計の組み立て体験ができます。
そこの6時間組み立てコースに申込み、バックスケルトンの5802と言う時計の組み立てを体験しました。
時計は完成品でも売っていますが、組み立て講習を受けると、講習費用として+1万円お高くなります。しかし、6時間もの講習を一万円で受けられる講習と言うのは他に心当たりが無く、安いと思います。
では、実際の組み立てを・・・・

儀象堂の中庭に建つ水運儀象台は、中国の北宋時代当時の首都開封に、1087年から1092年にかけて皇帝の命を受け建設され、30年ほど動いていたものだそうです。大型の水時計です。当時の蘇頌が書いた「新儀象法要」を、旧精工舎が4年の歳月をかけ、専門の先生方の協力を得て解読し学会に発表し、下諏訪町がこの話を聞き、ぜひとも諏訪の地に建設したいと関係者にお願いし、日本の匠の粋を集め、動き・音・色彩を施し完成したものとのこと。(儀像堂HPより引用)
時計機能だけでなく、プラネタリウム、天体望遠鏡を兼ねていたとのこと。
いよいよ時計の組み立て開始。
まず防塵服を着て、組み立て体験室に入ります。
機械台と呼ばれる台に、地板をセット。ここに2番車から順に組み付けて行きます。
組立てるのは、オリエントの59841と言う女持ち(めもち)のムーブメント。従って組立て難易度は普通の男物より上です。(@_@)
但し、女持ちのムーブはテンプが小さいため、精度は男物よりは劣るとのこと。
このキットはラスト2セットで、秋には組み立てやすい大きなムーブメントのものに変更されるようです。
各パーツは予めキット化されており、最高に難しい注油は各部品に既に施してあります。
注油はいきなりは無理のようです。
最初のパーツBOXは、ゼンマイの入った「香箱」の取り付けまでです。
各部品はピンセットでつまみますが、慣れないと直ぐに部品がどこかに飛んで行きます。実際、組み立て中に3回部品を飛ばしました。内1個はどうしても見つからず、予備パーツを出して頂くこととなってしまいました。
次のパーツBOX。
脱進機構の取り付けまでを行ないます。
この日は、他に受講者は無く、マンツーマンで指導して頂く事が出来ました。
脱進機構の図解説明をして頂いているところ。
アンクルの爪は昔から虫のフンで固定されていて、今でもそれがスイス製を含めて一般的という話は驚愕。

今は諏訪ではセイコーの時計は作られていませんが、当時作っておられたOBの方が指導に当たられているそうです。腕にはまっているのは、アンティークな手巻き。現役の頃作られたものでしょうか。
息を詰めて、必死の組み立てが続きます。
板バネ構造になっている部品を上からネジで締め付ける箇所が2箇所あり、そこが一番苦労しました。逆に、講師の方が難しいと言われた、輪列の押さえ板の取り付け(軸5本を一枚の押さえ板の穴にはめる)は、意外とうまく行きました。

アンクルの取り付けまでで午前は終了。
午後は難関が二つ。まずはテンプの取り付けから。
左が天府。中にヒゲゼンマイが入っており、これの収縮運動が時計の精度を決定します。
絶対にヒゲには触るなとのキツイ注意。
天府を組み込み直前の状態。ジッと息を殺して、ネジを締めるときにドライバーを滑らせないように細心の注意が必要です。
調速機(天府)の説明図
天府の組み込みも無事終了し、裏返して、日付と曜日板まで取り付けたところ。
この板の下には、日の裏輪列と言う、実際に短針を駆動するための減速機構が組み込まれています。また、日付と曜日の早送り機構も。
既に自動巻きの為の錘の取り付けも終っています。
この「日の裏」の工程で使用した部品が入っていたパーツBOX。
ついに文字板と針の取り付けが完了。
文字板はそうでもなかったですが、針の取り付けはものすごく難しく、秒針の取り付けだけ、先生の手を借りました。
座りの悪い状態から、工具を横に滑らせないよう細心の注意を払って、尚且つ強い力で押し込む必要あり。
文字板には美しいギョーシエ彫り。
ケースに入れて完成です。
裏面から見たところ。
回転錘と、その上の方に天府が見えます。
高級木箱付き。
ムーブはちょっとしょぼい女持ちですが、文字板と箱は上質。
敢えて難易度を高くするために女持ちムーブにしていたようです。しかし、難易度が高いため、4ヶ月後には、大きなムーブのものに教材が変わるとのこと。

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